「大学浪人時代にお茶の水で見たランボルギーニが人生を変えてくれました」

そう語ってくれたのは南魚沼市で2021年12月8日に創業した『株式会社魚沼スッポン』代表取締役の井口陸弥(りくや)さん。

株式会社魚沼スッポンは南魚沼市五十沢に本社をもち、温泉水を使ったスッポンの養殖、加工、販売を営むスタートアップ企業。

井口代表の大学受験失敗、150社エントリーして採用ゼロ、ベンチャー企業に就職するも半年で退社など、さまざまな困難を乗り越えていった道のりをじっくりと伺いました。

井口代表は五十沢地域の大自然で育ち、魚釣りが大好きな少年でした。

地元の高校に入学し、飛行機のエンジニアになりたいという夢をもっていたのですが、大学受験に失敗し浪人生活を送ることに。

そんな浪人時代に出会ったのがイタリアの超高級車「ランボルギーニ」でした。

運命の出会い

ブラブラとお茶の水を歩いていると、近未来をそのまま形にしたような容姿に目が留まり生まれてはじめての感情が沸き起こってきたそうです。

「この車がほしい……」

田舎育ちで軽トラックしか見たことのなかった井口代表にとってその先進的なフォルムはランボルギーニに轢かれるくらい衝撃的だったとのこと。笑

大学入学後は国内でも珍しいアワビの養殖事業に携わります。

プロジェクトチームと一緒に来る日も来る日もアワビと向き合い続け陸上養殖に成功。

こちらは現在事業化され、年間3万個のアワビを出荷する一大プロジェクトになっているそうです。

一方、3年生になるとアワビの研究に追われながらランボルギーニを手にいれるべく就職活動に勤しむ毎日。

150社ほど就活するも、ほとんどが面接で撃沈。

就職はしてみたがドン底を味わう

当初は自分のキャラを押し殺して面接を受けていたのですが、箸にも棒にもかからず落ち続けていたそうです。

「これではダメだ!」

と思い、素の自分をさらけ出そうと志望動機を聞かれた際

「一生懸命働いてランボルギーニを買うのが夢です!」

と言うようにしたら、さらに上手くいかなくなったそうです。笑

そんななか唯一声をかけてくれたのが前職となるベンチャー企業の社長でした。

藁をも掴む思いで入社をしたのはよかったのですが、そこでも絶望を味わうことに。

「電話で営業する仕事だったのですが、まったく上手くできなくて……」

デスクに座って電話をかけまくる毎日に疑問をもちはじめ精神的にもかなり追い詰められたそうです。

ついには半年で退職。

ランボルギーニへの道が途絶え、すべてを失いゼロになった井口代表。

生まれてはじめての絶望感を味わいました。

毎日やることもなくダラダラと過ごす毎日……。

そんなときにこんな言葉に出会います。

「失った物ばかり数えるな! 無いものは無い! 確認せい! お前にまだ

残っているものは何じゃ!」

たまたま手に取った漫画本にあった言葉が胸に突き刺さったそうです。

その漫画とは何を隠そう、大人気少年漫画「ワンピース」。

人気キャラ『ジンベエ』が言い放ったその力強いセリフが井口代表の心を揺さぶりました。

「俺に残ってる物って、一体なんだ……」

来る日も、来る日も考え、考え抜いて出てきたのは「養殖」の二文字。

「養殖がある!俺には!」

大学時代にアワビと向き合っていた日々が走馬灯のように浮かんだそうです。

そのなかでひとつ思い出したことがありました。

それは亡き祖父が掘り当てた温泉の存在。

温泉といっても人間が入るほどの温度はなく、30℃という養殖に適した温度の温泉を祖父が掘り当てていたことを思い出しました。

そこから「スッポンの養殖」にたどりつくまでにはそう時間はかかりませんでした。

すぐに帰郷し、スッポン養殖の準備をはじめ、現在に至ります。

(井口代表のスッポン養殖にかける想いについてはこちらの動画を参照)

2023年の秋より自社ECサイトより「すっぽん鍋セット」の販売をスタート。

・よっぱらいすっぽん鍋セット
・吟醸すっぽん鍋セット
・大吟醸すっぽん鍋セット

スッポンの重量別に3種類の鍋セットを用意。

井口代表にスッポンにはどんな栄養素が含まれているのか聞いてみました。

「体内でつくり出すことができない必須アミノ酸をすべて含んでいる完璧な食材なんです」

と教えてくれました。

必須アミノ酸には筋肉の疲労をとったり、免疫を高めてくれたり、中性脂肪やコテステロールを下げる働きがあります。

さらにコラーゲンが多く含まれており、美肌や肌の保湿力、弾力を保つことで老化防止にも効果があるそうです。

そう言われてみると井口さんはまだ20代ということもありますが、肌がとってもきれい。

「端材になったスッポンを煮こごりにして毎日食べています」

とのこと。

説得力のかたまりですね!笑

ランボルギーニへの道のり

そんな井口さんに今後の夢を聞いてみました。

「自分が生まれ育った環境で育てたスッポンをたくさんの方に食べていただき、おいしいと言ってもらい元気になってもらいたい。そうすることで南魚沼市に恩返しができると思うんです!」

と答えてくれました。

「その結果、ランボルギーニに手が届くと思うんです!!」

と続け、しっかりオチをつけてくれました。笑

一度絶望を味わった人間は強いですね。

これから社会に旅立つ学生、起業を考えている若者に伝えたいお話をたくさん伺うことができました。

株式会社 魚沼スッポン 企業情報

<所在地>
〒949-6765 新潟県南魚沼市岩崎558-1

<電話番号>
070-3168-6455(代表番号)

<メール>
contact@uonumasuppon.com

<購入はホームページから>
https://www.uonumasuppon.com

<X>
https://twitter.com/igpna1

<Instagram>
https://www.instagram.com/uonumasuppon.co.ltd/

                 

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