2025年11月7日、冬の足音が聞こえ始めた雪国南魚沼に、一軒のショップが産声を上げました。アウトドア用品とランニングギアの専門店「CLOWS（クロウズ）」です。
店内に並ぶのは、登山やトレイルランニングといったアクティビティはもちろん、畑仕事や除雪、通勤といった「日常の作業」でも真価を発揮するウェアやギア。オーナーは地元出身の白井勝さん。28年間に及ぶ行政職員としてのキャリアを経て、50代を過ぎてから未経験のアウトドア業界へ飛び込むという大きな決断をし、この店を立ち上げました。

行政経験から生まれた健康感と機能性への気づき

白井さんはこれまで、自治体職員として地域のために働いてきました。仕事に誇りを持ち全力で向き合う日々でしたが、医療分野での業務や父の介護が重なり、自身の「働き方」と「健康」を見つめ直す時期が訪れます。

「自分の健康は、医療や行政に任せきりにせず、自分自身で守らなければならない」

そう痛感した白井さんは、若いころから好きだった“歩くこと”の重要性を再認識します。そんな中で得た気づきが、愛用していたアウトドアウェアの機能性でした。 南魚沼の厳しい冬の除雪や泥にまみれる畑仕事。こうした過酷なシーンで着用してみると、汗をかいても肌面はドライ。風を遮りながらも蒸れを逃がす。体が軽くなり動きが制限されないことで、作業後の疲労感も劇的に軽減されました。

「こんなに快適で心まで前向きにする道具があるのに、なぜみんな着ていないんだろう？」 この素朴な疑問が「この道具たちのもつポテンシャルを伝える場所を作りたい」という情熱へと変わっていきました。

店名「CLOWS」に込めた、雪国への深い愛着

店名の「CLOWS」には、白井さんの強い意志が込められています。

• Cyclling（サイクリングに） 
• Lifestyle（日々の暮らしのために）
• Outdoor（アウトドアに）
• Workstyle（働くシーンに）
• Snow season（雪の季節に）

この5つの頭文字と、英語の「clothes（衣服）」を掛け合わせた造語です。 アウトドア専用ではなく、通勤着、作業着、そして雪国・南魚沼の厳しい冬を乗り切るための装備として。日常のあらゆる場面に溶け込み、着る人の生活を支える存在でありたい。そんな想いがこの5文字に凝縮されています。

「良いものを長く」
――里山を遊び場に変える循環を

CLOWSが提案するのは、「良いものを、より長く、より快適に使える」という価値観です。 並ぶ商品は、決して安価ではありません。しかし、そこには確かな機能性と耐久性、そして環境への配慮があります。安価に消費されるファッションとは対極にある、本物だけが持つ佇まいがあります。

白井さんは業界のつながりゼロからスタートし、自ら各地の展示会へ足を運び、ブランド一つひとつと信頼関係を築いてきました。2026年春には取り扱いブランドが20を超える予定です。

また、白井さんは単なる物販の先にある「地域の豊かさ」を見つめています。 「ランニング等を通じて、身近な里山を“最高の遊び場”として再発見してほしい」と語る白井さん。地域の人が自然の魅力に気づき、健康的に遊び、笑う。その拠点としてCLOWSを育てていきたいと考えており、今後は里山を楽しむイベントも計画中です。

50代での挑戦が、誰かの新しい一歩を照らす

28年間の安定したキャリアをリセットし、未知の領域へ踏み出す。大きな不安もあったはずですが、白井さんは「やらなかった後悔の方がずっと大きい」と力強く語ります。

「これからは自分のためだけでなく、大好きな地域や誰かの役に立つことがしたい」

その純粋な動機が、CLOWSを動かす原動力です。 50代での挑戦は、決して特別な人だけのものではありません。自分を信じて新しい扉を開けるその姿は、同世代や生き方に迷いを感じているすべての人にとって、そっと背中を押してくれる希望になるはず。

自分を支えてくれる一着を探している方、健康的な暮らしや里山での遊びに興味がある方。 ぜひ一度、六日町のCLOWSを訪ねてみてください。 そこには、あなたの暮らしに寄り添い、毎日を少し特別にしてくれる出会いが待っています。

CLOWS店舗詳細

＜所在地＞
949-6680 新潟県南魚沼市六日町2815-1

＜営業時間＞
11：00〜18：30

＜定休日＞
なし（不定休、Instagramなどでお知らせ）

＜Instagram＞
https://www.instagram.com/clows_outdoor/?hl=ja

※この記事は訪問時点の情報をもとに構成しています。最新の営業情報は、店舗公式Instagramなどでご確認ください。