日本屈指の米どころ、新潟県南魚沼市。
美しい山並みを背景に、堂々とした風格を漂わせる赤い屋根の古民家が現れます。ここが、2025年10月31日にオープンしたばかりの農家レストラン「こめのすけ」です。
一歩足を踏み入れれば、そこは時を超えた癒やしの空間。そして何より、農家である店主が自ら育てた「極上のコシヒカリ」を、一番美味しい形である「おむすび」で味わえる場所として、今、注目を集めています。
ドラゴンズファンの元サラリーマン農家、入田さんの挑戦

厨房の奥から「いらっしゃいませ!」と元気な声で迎えてくれるのは、ドラゴンズキャップと青いエプロンがトレードマークの店主、入田啓輔(にゅうだ けいすけ)さん。
三重県津市出身で、かつては東京でサラリーマンとして働いていた入田さん。約10年前、南魚沼の米農家・大久保さんが主催する「米づくり体験」に参加したことが人生の転機となりました。
土に触れる喜び、黄金色に輝く稲穂、そして師匠となる大久保さんの米作りへの情熱に惹かれ、移住と就農を決意。今では1町歩(約1ヘクタール)もの田んぼを管理する、頼もしい米農家となりました。
「自分が手塩にかけて育てたお米を、お客様の口に入る瞬間まで見届けたい」
そんな想いから誕生したのが、このお店です。
見上げれば圧巻の梁。築300年の古民家を再生


お店の大きな魅力の一つが、その建物です。
南魚沼市内の穴地(あなぢ)地区にあった築300年の古民家を移築・再生した店舗は、ただ古いだけではない、重厚な歴史とモダンな快適さが融合した空間になっています。
客席に座ってふと天井を見上げると、そこには太く逞しい梁(はり)が縦横に組み合わさっています。雪国の厳しい冬を300回も乗り越えてきた柱や梁の色艶は、言葉にできない美しさ。
広々とした店内には、靴を脱いで上がる畳のスペースに、あえてモダンなテーブル席を配置。足腰の負担なくゆったりとくつろげる配慮がされており、大きな窓からは南魚沼の自然光が優しく差し込みます。
「この建物は、雪国の暮らしを伝える貴重な資料でもあります。私が作ったお米とお店を通じて、人と人が繋がれる交流の場にしていきたいんです」
入田さんがそう教えてくれました。
手で持つと崩れそうなほど「ふっくら」。究極のおむすび体験


「こめのすけ」で味わっていただきたいのが、看板メニューの「おむすびセット」(1,000円)です。
運ばれてくるのは、艶やかに光る3つのおむすび(塩・鮭・焼き味噌)。
特筆すべきは、その食感です。入田さんのこだわりは、精米したてのお米を一度ふるいにかけること。粒の大きさを均一に揃えるというひと手間を加えることで、炊飯時に熱がムラなく通り、お米一粒ひと粒がしっかりと立ち上がります。
写真からも伝わるように、ふんわりと空気を含ませて握られたおむすびは、手で持つと崩れてしまいそうなほど繊細。
口に運べばホロリとほどけ、コシヒカリ特有の強い甘みと香りが一気に広がります。特に、表面を香ばしく炙った「焼き味噌」のおむすびは、味噌の塩味とお米の甘みが絶妙にマッチし、南魚沼の郷土の味を存分に楽しめます。
米粉を使ったメニューと、こめのすけのこれから

おむすび以外にも、入田さんの探究心が詰まったメニューが並びます。
小麦粉を使わず、自家製の米粉でとろみをつけた「特製米粉カレー定食」や「米粉のほっこりシチュー定食」は、体に優しく染み渡る味わい。新潟ブランド豚を使用した「もちぶたハンバーグ定食」など、ガッツリ食べたい派も満足できるラインナップです。
「オープンにあたり、本当に多くの方に助けてもらいました。その恩を、美味しいお米とこの場所で返していきたい」と語る入田さん。
今後はアルコールやおつまみの提供、店頭でのお米販売も計画しているそうです。
築300年の古民家で、農家さんが握る最高のおむすびを頬張る。そんな贅沢な時間を過ごしに、ぜひ南魚沼の「こめのすけ」を訪れてみてください。
こめのすけ店舗情報
<所在地>
新潟県南魚沼市上一日市318-3
<営業時間>
10:00~15:30(L.O. 14:30)
<電話番号>
025-788-0210
<定休日>
不定休
<Instagram>
https://www.instagram.com/komenosuke_minamiuonuma/?hl=ja
※メニューや価格は取材時のものです。最新情報は店舗へお問い合わせください。

